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2017年07月20日
賃貸管理の舞台裏

強制執行予告を断行まで無視した入居者


当社管理の賃貸住宅で最後に強制執行まで断行した事例は7年前に遡ります。契約後数年の入居者が突然、意図的に家賃の支払いをせず、話し合いにも応じない困った事態に

オーナーと管理業者を言われ無き理由で批判し始めた


家賃管理はオーナーの自主管理物件でしたが、契約後2年間は家賃支払い問題なかったのに契約更新後に家賃の入金が止まった、とオーナーから連絡を受けたのです。「何か事故でもあったのだろうか」と貸家を訪ねていったところ、玄関ドアの向こうから「自分が支払わないのは、大家に悪口を言われたからだ。謝りに来ない限り家賃は支払えない云々」と叫んでいるのです。いくら話し合いましょう、と呼びかけても一向に出てこないので、仕方なく、その状況をオーナー様に報告しました。

「何でしょうね?私は借主に会ったこともないですけど。」「何か勘違いでもなさっているのですかね。」後日、夕方頃にまた貸家に行ってみても、また玄関ドアの向こうから「おまえら、夜通し俺のことを覗いているだろう、お見通しだからな。」こんな感じで、お手上げでした。

連帯保証人は弟さんでしたが、遠方に住んでおり、手紙や電話で連絡繰り返しましたが、「兄とは今、話が出来ない状態で私も協力できません。」と充てになりません。

契約解除から明け渡し訴訟の法的処理を決断


このままでは、その入居者が居住している家賃未納の貸家が不良物件化して周囲に迷惑を及ぼす可能性もあるので、オーナー様の決断により、法的手続きにより退去して頂く方針となりました。訴額がまだ少ない状況だったので訴訟権限のある司法書士に契約解除、建物明渡し等請求訴訟を提訴委任しました。

訴訟の被告は当然裁判所に出頭しませんので提訴から約3ヶ月で判決となり、その後は地方裁判所執行官事務所に強制執行の申し立て予納金支払いに行きます。

執行官の執行現場確認、執行予告文書を建物室内に設置、2週間後に執行補助業者随行で強制執行断行という流れです。

その間、入居者は平然と会社勤務含む通常生活継続


明渡し請求訴訟の判決が確定しましたよ。→強制執行をこれから準備しますよ→何月何日に強制執行断行です。 少なくとも深刻な通知を3回以上入居者は受領しているわけです。それなのに、これは、まずいと焦ったり、引越しの準備をするどころか、淡々と平穏な生活を繰り返しているようなのです。(但し、家賃だけは頑なに払わない。)

強制執行当日の午前に玄関鍵を開けて中を確認してびっくりしました。普通に食事を済ませて、キッチンには食器が洗われて、テーブル周りの湯飲み茶碗とか物干し場に干してある衣類等、生活している状態そのままなのです。でも、法的手続きは全て完了していますので、室内荷物をトラックにどんどん運び出して、玄関カギを交換、全ての窓とドアを締めて完全にシャットアウトしました。

その日の夕方、事務所で6時過ぎまで待機していましたが、本人から何の連絡も無く閉店しました。

翌日に市役所から電話がかかってきた


翌日の昼近くだったでしょうか、市役所から私宛に電話があり、「ここに御社の仲介した貸家を借りている何々さんが相談に来られて、家に入れなくなった、と言っているのですが、どのような事情でしょうか?」と聞かれるので「家賃の未払いが多額になり、大家さんが契約を解除して正式な訴訟手続きを完了して昨日強制執行したのですよ。」と事実を告げました。「もし、本人が警察にも相談したいというなら、行くように勧めても構いませんよ・」「あー、それでは致し方ないですよね。本人に伝えます。」

その後、何日かして恥ずかしそうに当事務所まで預金通帳等の私有遺留品を取りに来ました。他の家財道具等保管品の入札には姿を見せず、大家で買い取り後処分して一件落着でしたが、不可解な入居者でした。この様な強制執行の現場は珍しいと言えるでしょうかね。

この記事を書いた人
鈴木 光浩 スズキ ミツヒロ
鈴木 光浩
埼玉県加須市で24年間不動産に関わる事業、取引を続けてきました。 最近は公益社団法人の理事職も兼任しています。還暦も過ぎたので 頑張らず、我慢せず、根性持たずのゆるゆるペースが仕事の基本ですが、 不動産売買の本質、賃貸不動産経営の本質的な問題について理解した上で 各種コンサルティングを日々行なっています。自分自身で収益物件の購入・ 売却、賃貸経営を実践しています。失敗も成功も経験ありますので案件に 適した提案が出来ると思います。趣味は心身の健康書籍の読書と将棋観戦。 世の中で起きていることを見ること、聴くことが好きで、好奇心に満ち、 ときたま書くことや写真を撮ることに夢中になります。
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