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2017年07月09日
仲介現場の舞台裏

有料コンサルに満足頂けました


昨日の不動産取引コンサルタント内容は「契約条項の確認と修正有無」「価格条件について第三者意見」「その他注意事項」ということでした。これなら私にとっては経験豊富な分野であります。

2本の契約案に関する検討


不動産売買契約書案(土地・建物)と農地売買契約書案の2点に公図写し、市役所型の固定資産税納付明細書を持参されました。

買主さんは複数の法人を持っている事業体ですが、代表者は同一人物、おまけに社長自身が市農業委員会から営農業者の認定も受けているようで「農地売買もお手の物」といった感じらしいのです。なるほど、それなら農地も売買契約後に農地法の申請受理で手間取ることはなさそうだな、と思い、読んでいきましたが、おっとこれはいくつか「つっこみどころ」な部分と「アウト」な部分がありそうです。

まずは、どちらの契約書案も「公簿(測量図作成を行わず、実際の面積と差異があっても実測地による金額精算を行わない)取引」なのか「実測取引」なのかを明示していないこと。仮に「実測取引」にする場合、境界立会い測量に関る費用を売主・買主どちらの負担にするかという問題が生じます。(宅建業者が仲介していない場合ですが、売主・買主どちらから相手方に取引を持ちかけたかにより、常識的には持ち替えたほうがこの様な関連費用を負担するものでしょうが)

 

瑕疵担保責任条項をどうするか?


相談者(不動産所有者)が懸念されているのは契約案にある「瑕疵担保責任条項」で瑕疵担保条項による契約解除や損害賠償の請求期間が「契約後1年間」保留されているという点にあります。

おそらく、この契約書案自体、以前に取引した事例をそのまま踏襲して(幸いに取引後不動産の瑕疵発見まで至らなかったので、従前と同様に条項を入れてあるのでしょう)作成したような雰囲気がありました。おまけに{協議事項}が全く同じ条文で第15条と第16条の2条にわたり重複記載されています。これは、おそらく作成者自身も契約条項の中身をよく吟味せずに作っているな、と感じました。

相談者は9年前に同不動産を相続取得しており、農地営農も建物使用も経験しておりません。それならば、本不動産契約書案には「本条の定めにもかかわらず、本契約対象土地建物に対する瑕疵担保責任は免責とする」に修正をしたほうが宜しいでしょう、と助言しました。実際に大手事業者が売主で当社が買主となる土地建物売買契約において、「あの大手会社が?」と思うほど、きっぱり「瑕疵担保責任を負わないこと」を条件に売買契約した経験がありますので。

売買価格に関する第三者意見


その他数点に関する契約条項の修正を指摘する部分について意見書を作成しました後、

今回の売買価格に関する値上げ交渉が可能かどうかの意見を求められましたが、私としては買主に面会しておらず、どのような経緯で、どの程度、本不動産を必要とする理由があるかによって購入側が認める価値に影響を及ぼすかと思いますので、助言まではできません。やはり、相談者売主様自身の「本不動産を売却する事と保有し続ける事のトレードオフの問題かと存じます。」と申し上げました。「仮に金額が安いからといって、高く買える他の購入候補者を探せる可能性は、はっきり言って低いですよ。特に調整地域の青地の農地は」との現実も指摘しました。

相談者は「そうですか。やはり、当事者以外に聞いて値段がもう少し高くてもいいのではと交渉するのはリスクが高いですかね。」と納得されたようです。有料相談業務でありましたが、「御社しか頼れるところがないんですよ。」と仰られたので、お役に立てて良かったな、と思いました。

この記事を書いた人
鈴木 光浩 スズキ ミツヒロ
鈴木 光浩
埼玉県加須市で24年間不動産に関わる事業、取引を続けてきました。 最近は公益社団法人の理事職も兼任しています。還暦も過ぎたので 頑張らず、我慢せず、根性持たずのゆるゆるペースが仕事の基本ですが、 不動産売買の本質、賃貸不動産経営の本質的な問題について理解した上で 各種コンサルティングを日々行なっています。自分自身で収益物件の購入・ 売却、賃貸経営を実践しています。失敗も成功も経験ありますので案件に 適した提案が出来ると思います。趣味は心身の健康書籍の読書と将棋観戦。 世の中で起きていることを見ること、聴くことが好きで、好奇心に満ち、 ときたま書くことや写真を撮ることに夢中になります。
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