(本店)09:00 - 17:00(花崎店)09:30 - 17:30
(本店)月曜定休(花崎店)木曜定休
2017年09月30日
賃貸管理の舞台裏

月末来店の職人オーナーと募集条件交渉


毎月末に来店される大家さんがいます。板金業の職人親方で当月完工した工事代金の請求書を持参して来られるのです。立替え払いしながら世間話をしていくうちに親方所有のアパート空室の話題になりました。

築後10年以内アパート4棟と築29年アパートが1棟に


「△△町のアパートだけどね」こちらは平成10年新築ですから間取も人気の2DKに内装・設備が充実している4世帯1棟タイプですが3戸空室が出ており空室期間が半年以上になっていました。10年間家賃を下げずに来たのですが、ハウスメーカーの同タイプ同築年数のアパートに比べれば相対的に家賃は高くなっているとも言えません。

但し、新築築浅プレミアムは既に無いとの見方をして頂き、家賃は下げないけれど、契約にかかる費用を下げること(敷金、仲介手数料ゼロにフリーレント1ヶ月条件にすれば、契約時にかかるお金は保証会社の賃貸債務保証料と家財保険料のみで契約費用を5万円以下に抑えられる)を提案して、しばらくグダグダと世間話は続きましたが、当社提案の方向で募集を進めてください、と言うことになりました。

築29年アパート空室率は30%(10戸のうち3戸空室)


このアパートの南側約半分の土地に3階建ての住宅が建築されて以来、(特に1階部が)日当たり悪いイメージになり、募集苦戦中でした。間取は古き時代の田の字3DK。新築当初は家賃4万円だったそうで、バブル期には6万円まで家賃が上昇し、現時点では4万円を割り3万8000円です。築後30年を超えると出口戦略も考えなければならないのですが、売却するにしても満室にしておくことが「資産価値を高める」ポイントになります。

満室を目指す上で、必要なのが「募集間口を広げること」。築浅物件と同様に初期費用の軽減を募集条件にして、且つ生活保護受給の単身者家賃上限枠37000円に収まるように家賃設定して、契約費用は4万円以下(保証料+家財保険のみで契約可能)に設定しました。家財保険のみ1年コースを選択すれば、初期費用3万円!になります。

散歩しながらライバル物件を観察する職人オーナー


このオーナーさんの良いところは、自分のアパートだけでなく、近所を散歩できる範囲で見られるライバル物件アパートの様子を細かく観察している点です。

「どこどこのセキスイのアパートは新しいんだけれど、線路前の道路沿いでベランダがよく見えるんだ。洗濯物を見ると職人の服装が干してあってね、それが2ヶ月くらいで空室になってしまったんだな。やはり線路沿いは暮らしにくいのかね。」とか

「公園の近くに6世帯のアパートがあってね、その前を散歩で通るんだけれど、真ん中の部屋の中で何だか喧嘩しているような声とガタガタ音が聞こえるんだよ、今まで何回も聞いたんだけれど巻き込まれるのが嫌だから早々と通り過ぎちゃうんだけどね。」そのアパートは当社管理で満室稼働中なのですが、同じアパートの入居者からは何も苦情を受けていません。確かに家賃が下がってくると収入の少ない世帯が入居することになりますから、いろいろ家庭内で揉めることもあるかもしれませんね。

でも、このような話を聞くと、大家さんは散歩しながら町のアパート空室状況と、そこに住んでいる入居者の生活スタイルからいろいろなヒントを得られるのだな、と敬服しました。その観察を通して空室の募集条件について柔軟な対応力が身につくのでしょう。

この記事を書いた人
鈴木 光浩 スズキ ミツヒロ
鈴木 光浩
埼玉県加須市で24年間不動産に関わる事業、取引を続けてきました。 最近は公益社団法人の理事職も兼任しています。還暦も過ぎたので 頑張らず、我慢せず、根性持たずのゆるゆるペースが仕事の基本ですが、 不動産売買の本質、賃貸不動産経営の本質的な問題について理解した上で 各種コンサルティングを日々行なっています。自分自身で収益物件の購入・ 売却、賃貸経営を実践しています。失敗も成功も経験ありますので案件に 適した提案が出来ると思います。趣味は心身の健康書籍の読書と将棋観戦。 世の中で起きていることを見ること、聴くことが好きで、好奇心に満ち、 ときたま書くことや写真を撮ることに夢中になります。
arrow_upward