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2017年08月01日
オーナー様用役立ち情報

貸家の立退き交渉と弁護士法72条の関係性


あるオーナー様からテナントと賃貸借物件の売却条件を交渉しているが、交渉がうまくいかなかったら中途解約したいので相談に乗ってほしいと連絡がありました。これは受けられる業務でしょうか?

弁護士法第72条を理解しているオーナーは少ない

弁護士法第72条は、弁護士資格のないものが報酬を得る目的で法律事件を取り扱う業務を行うことを禁止しております。これに違反した場合には「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金」に処されます。
ところで、建物の立退交渉は、賃貸借契約に関する借地借家法第28条の更新拒絶の正当事由の有無や立退料の要否やその額をめぐる高度な法律的判断を要する事柄ですので、法律事件に該当します。また、貸家の立退交渉は、更新拒絶の正当事由があるとする賃貸人側の主張と正当事由がないとする借家人側の主張の対立を当然の前提にしたものですので、法律事件としての事件性の要件も満たすと考えられます。
しがたって、弁護士以外のものが報酬を得る目的で立ち退き交渉を行うことは、弁護士法第72条違反に該当しますので、宅建業者であっても報酬を得る約束の下で、建物所有者の依頼を受けて立退交渉を代理することは出来ません。

というのが弁護士法第72条を巡る解釈となっています。

では、行政書士や司法書士に交渉を頼めるか?

立退交渉を行政書士に依頼することについても、弁護士法第72条に違反することから出来ません。行政書士は、文書の作成の代理をすることは可能ですが、依頼者の代理人となって相手方と直接交渉したり、あるいは、相手方の回答書を受け取ったりすることはできません。行政書士が本人の代理人としてこれらの行為を行うと弁護士法第72条違反の罪に該当します。と言うことで行政書士も立退き交渉は不可。では、司法書士はと言うと、訴額140万円までの事件であれば、簡裁代理権を有する認定司法書士に対し、そのような事件の依頼をすることは可能と言うことです。しかし、立退交渉の事件は、賃借人が主張する立退料の額が140万円以上になるケースが殆どではないかと思われますので、殆どのケースでは上記の要件を満たさないのではないかと考えられます。やはり、訴訟代理権の資格を有する不動産争議に詳しい弁護士の先生に相談するのが本筋ではないかと思われます。

この記事を書いた人
鈴木 光浩 スズキ ミツヒロ
鈴木 光浩
埼玉県加須市で24年間不動産に関わる事業、取引を続けてきました。 最近は公益社団法人の理事職も兼任しています。還暦も過ぎたので 頑張らず、我慢せず、根性持たずのゆるゆるペースが仕事の基本ですが、 不動産売買の本質、賃貸不動産経営の本質的な問題について理解した上で 各種コンサルティングを日々行なっています。自分自身で収益物件の購入・ 売却、賃貸経営を実践しています。失敗も成功も経験ありますので案件に 適した提案が出来ると思います。趣味は心身の健康書籍の読書と将棋観戦。 世の中で起きていることを見ること、聴くことが好きで、好奇心に満ち、 ときたま書くことや写真を撮ることに夢中になります。
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